前日までの晴天が嘘の様に、激しい雨が朝から降り注いだ福岡の空。
せっかくの決勝戦を前に、少し残念な気持ちを抱いてしまいそうだったが、そんな気持ちが杞憂に終わるのに、そんなに時間は必要ではなかった。
代表決定戦決勝からの登場のギラヴァンツ北九州(以下、北九州)に、天皇杯でジャイアントキリングを数々起こして来た福岡大学サッカー部(以下、福大)が、どんな戦いぶりを見せるのか?
また北九州も、ここまで調子が出ないリーグ戦に弾みをつける為にも、この一戦に掛ける思いは強いはず。
お互いの意地がぶつかり合った試合は、13時、レベルファイブスタジアムでキックオフされた。
ギラヴァンツ北九州 スタメン
GK 1 山岸範宏 DF 2 有薗真吾 24 川島將 28 ペ スヨン MF 8 安藤由翔 10 井上翔太
15 野口航 17 加藤弘堅 22 藤原奏哉 FW 14 平井将生 25 前田央樹
福岡大学 スタメン
GK 21 真木晃平 DF 3 下堂竜聖 4 倉員宏人 6 中田永一 13 石田皓大
MF 5 饗庭端生 7 井上健太 8 大熊 健太 FW 10 梅田魁人 17 梅木翼 29 今田源紀
試合序盤は、北九州がペースを握り、福大ゴールに迫った。
12分に左サイドから、22番の藤原選手がクロスを上げると、25番前田選手が頭で合わせるが、惜しくも左に外れてしまう。
17分にも、北九州の10番井上選手がミドルレンジから狙い、ディフェンダーに当たってコースが変わるが、福大ゴールキーパー真木選手が横っ飛びで防ぎ、先取点を許さない。
苦しい時間帯を凌いだ福大は、ここから前線からの守備が機能し、徐々に押し込む展開となった。
23分、2度目のコーナーキックのチャンス。混戦からのこぼれ球に、7番井上選手が押し込むが左に外れ、決定的なチャンスを逃してしまう。
36分にも、13番石田選手のダイレクトボレーで北九州ゴールを脅かすと、その3分後に貴重な先制ゴールを奪う。
左サイド、ややゴールから遠い位置で得たフリーキックのチャンスを、6番中田選手が早いリスタートで前線の10番梅田選手に預ける。
ペナルティーエリア左で受けた梅田選手は、見事なトラップから反転し、キックフェイントで北九州ディフェンダーのマークを外すと、右足で思い切り良く振り抜いたシュートは、ゴール右隅に突き刺さり、福大が先制点を奪う。
その後の北九州の攻撃も凌ぎ切り、福大1点リードで前半を終えた。
後半頭から北九州は、負傷したぺ スヨン選手に代わり、福大OBの4番川上竜選手がディフェンスラインに入り、後方からゲームをコントロールした。
なかなか前線の14番平井、25番前田選手に良いボールが収まらず、得点を奪えなかった北九州は、後半に入るとサイドを大きく使い、福大の前線からのプレッシャーをかいくぐり、早い時間帯での同点ゴールを奪う。
左サイドでボールを受けた14番平井選手のパスを、4番川上選手がゴール前にクロス。
中央で受けた10番井上選手のシュートは、福大ディフェンダーに阻まれるも、そのこぼれ球を拾った15番野口選手がダイレクトボレーを放つ。
バウンドしたボールは、ゴール前に飛び込んだ22番藤原選手が混戦から押し込むと、福大ゴールに吸い込まれ、北九州が後半の早い時間帯に追いつく。
これで勢いに乗った北九州は、後半16分に、43番本山雅志選手を投入すると、後半完全にゲームを支配する。
すぐにその効果は出て、右スローイングから素早くクロスを上げると、ニアで25番前田選手が頭で合わせるが、これは福大GK真木選手が好セーブで防ぐ。
そのこぼれ球を拾い、最後は8番安藤選手がシュートを放つが、ゴール上に外れてしまう。
前半から飛ばし、雨の影響で徐々に体力を失った福大に対し、中盤でボールを回せる様になった北九州は攻勢を強める。
33分には、右サイドからの14番平井選手のクロスを、中央で受けた25番前田選手が収め、本山選手に預けるが、本山選手のシュートは、大きく上に外れる。
北九州の時間帯が増え、後半シュート0に抑えられ、守備に追われた福大だったが、選手全員が最後は体を投げ出し、ゴールを割らせなかった。
90分で決着をつけたい北九州は、これが公式戦初出場の16番佐藤颯汰選手(日章学園高)を投入し、更に勢いを加速させ、45分にはその佐藤選手のキープから、本山選手が右へ展開。
クロスは福大守備陣に跳ね返されるが、そのこぼれ球を拾った安藤選手が低い弾道のシュートを放つ。
しかし、そのシュートも福大守護神の真木選手の好セーブに阻まれ、勝ち越しゴールを奪えない。
アディショナルタイムの5分も、FWの10番梅田選手をボランチに下げ、北九州の攻撃を跳ね返し続けた福大が失点を許さず、延長戦へと突入した。
延長戦に入っても、北九州の勢いは止まらなかったが、延長戦前半6分に10番井上選手がフリーキックから放ったシュートも、福大GK真木選手のビッグセーブに阻まれ、勝ち越しゴールを奪えず。
延長戦後半も、北九州は福大の粘りの守備に1点が奪えず。
110分の死闘でも決着がつかず、勝敗はPK戦へと突入した。
7人まで、両チームが全員成功も、8人目は両ゴールキーパーにの意地に防がれ10人目へ。
10人目のキッカーは、両チームとも、この試合を引き締めたゴールキーパーの二人。
先行の福大ゴールキーパー真木選手は成功させるも、山岸選手は決めきれず、長い戦いに決着がついた。
勝った福岡大学は、5月27日にレベルファイブスタジアム(13時キックオフ)に、徳島県代表のFC徳島を迎え、福岡県代表としての挑戦が続く。
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